毎月、給料の何割を貯金するのが妥当なの?私は今も未来も楽しみたい!

「貯金はしたいけれど、今の楽しみを我慢したくない」
「貯蓄ってどれくらいすればいいの?」

 

上記のような疑問がある人もいるでしょう。この記事では、貯蓄率について割合の目安や決めるポイント、貯蓄率を上げる方法を解説します。

 

どうすれば自分が目標とする貯蓄率を達成できるかわかる記事です。ぜひ最後までご覧ください。

 

貯蓄率とは収入に占める貯蓄の割合

 

貯蓄率とは、手取り収入のうち貯蓄に回った割合を示す指標です。社会的な傾向として、貯蓄率は景気が良くなって消費が増えると短期的に低下し、逆に景気が悪くなると消費を減らすため、貯蓄率は上昇します。ただし、景気が悪い状況が長引けば、収入が減っていくため、貯蓄率は低下します。

 

貯蓄率は個人にとっても大事な指標で、高いか低いかで長期的な資産額に大きな差が生まれます。仮に現役時代の生涯収入が2億円とした場合、貯蓄率が1%違うだけで200万円も資産額が変わる計算です。

 

このように、教育資金や老後の生活資金を貯めるためにも貯蓄率は重要な指標と言えます。

 

年代別の貯蓄率はどれくらい?

 

総務省統計局の「家計調査結果」によると、勤労世帯全体の平均貯蓄率は38.1%となっています。以下は年代別の内訳です。

 

年代 平均貯蓄率
20代 48.5%
30代 42.7%
40代 40.6%
50代 39.7%
60代以上 24.4%

 

貯蓄率の傾向として、年代が上がるごとに貯蓄率は低くなります。また、世帯人数別として見た場合、単身世帯の方が二人以上世帯より貯蓄率は高い傾向です。

 

2人以上の世帯は単身世帯よりもライフイベントが多いため、その分出費も多くなり、貯蓄率が下がる可能性が高くなります。

 

ただし、これは傾向であり、各世帯のライフスタイルなどによって異なります。上記の数字を参考にしたうえで、自分に合った貯蓄率を決めましょう。

 

貯金額の理想について詳しく知りたい人は以下の関連記事をご覧ください。

 

 

貯蓄率は6つの要素から決まる!

 

貯蓄率の目標を決める際には、主に以下の6つを考えます。

 

①平均手取り年収 現役生活が終わるまでに毎年平均でどれくらいの手取り年収を得られるか
②老後の生活費 老後に毎月どれくらいの生活費がかかるか
③年金額 毎月いくらくらいの年金を受け取れるか
④現在の資産額 貯蓄率の計画を考える時点での資産額
⑤現役として働く年数 現在から何年間、現役として働くか
⑥老後の想定年数 平均寿命などを参考に、引退時から老後生活が続くか示した期間

 

上記の6つを考えることで生涯収入や老後の総生活費などの目安がつき、貯蓄率をどれくらいに設定すればよいのかわかります。

 

たとえば今30歳の人が65歳まで働くとして、以下の条件を設定します。

 

  1. 平均手取り年収400万円
  2. 老後の生活費が月30万円
  3. 年金額は14万円(厚生年金の平均額)
  4. 現在の資産額が100万円
  5. 老後は90歳までと仮定

 

上記のケースでは以下の概算が可能です。

 

  • 退職後、老後にかかる生活費は、月30万円x12か月x25年で9,000万円
  • 老後に受け取れる年金は14万円×12か月×25年=4,200万円
  • 現在の資産額である100万円を引くと、目標貯蓄額は5,700万円
  • 残りの就労期間で年に約162万円の貯蓄が必要となり、貯蓄率としては162万円/400万円で40.5%が目安

 

実際は生活費以外にもライフイベントなどで、急な出費が必要となります。少しでも早く目標を達成できるように、余裕のある貯蓄率を設定しましょう。

 

理想の貯蓄率を考えるためのポイント2つ

 

理想の貯蓄率を考える際には、以下のポイントを意識しましょう。

 

  • 貯蓄の理想は収入の3割程度
  • ライフイベントも計算に入れる

 

上記のポイントをおさえると、自分に合った貯蓄率を把握しやすいです。

 

①貯蓄の理想は収入の3割程度

総務省統計局の「家計調査報告」では、貯蓄率は平均3割程度との調査結果が出ており、ひとつの目安となっています。

 

極端な浪費をしてしまうと、将来の生活資金が少なくなってしまう可能性が高いです。一方で過度な節約も、今の生活が不便になってストレスが溜まってしまいます。

 

自分のライフスタイルやイベントを考えたうえで、最適な貯蓄率を目標に設定しましょう。バランスの良い目標にすることで、今の生活を楽しみつつ、将来設計もしやすくなります。

 

②ライフイベントも計算に入れる

ライフイベントには結婚や出産があり、一時的に大きな出費が必要です。ライフイベントを計算にいれたうえで出費を予測しておくと、貯蓄率の目標をより正確に立てやすくなります。

 

日本FP協会の公式サイトによると、具体的な金額の目安は以下の通りです。

 

ライフイベント 金額の目安
就職活動 10万円
結婚費用 469万円
出産費用 52万円
教育資金 1,002万円
住宅購入 3,494万円
介護費用 17万円
医療費など緊急用の資金 生活費3ヵ月分

 

上記の金額を把握し、どれが自分に当てはまるか確認したうえで貯蓄の計画を立てましょう。

 

貯蓄率を上げるためのポイント

 

貯蓄率を上げるために重要なポイントは以下の通りです。

 

  • 家計簿をつける習慣をつける
  • 固定費を見直す
  • 変動費を工夫する

 

上記のポイントを意識することで目標とする貯蓄率を早く達成できます。節約する際のポイントとして普段から意識しましょう。

 

①家計簿をつける習慣をつける

家計簿をつけると、現在の収入と支出を正確に把握できます。貯蓄率の目標を設定するためにも、事前に自分の資産や収支の現状を把握しましょう。

 

家計簿は小まめに日々の収支を記録するのがおすすめですが、1円単位で正確に記録しようとするとストレスが溜まってしまいます。100円単位など、ある程度目安をつけて収支を把握できるようにしましょう。

 

②固定費を見直す

固定費には家賃、通信費、保険料などがあげられ、毎月同じ料金がかかります。固定費は一度節約できると、効果がずっと続くのが特徴です。貯蓄率を上げるために支出を見直す場合は、最初に固定費をチェックしましょう。

 

家賃の安い家への引越し、格安SIMへの切り替え、保険オプションの見直しなどをすると固定費を節約できます。

 

固定費の見直しをする際には「家計見直し診断」の利用がおすすめです。
また、スマホ代の節約について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。

 

 

③変動費を工夫する

変動費には食費や水道光熱費、雑費が含まれます。変動費の節約には生活習慣の見直しが効果的です。食費であれば自炊への切り替えやタイムセール活用、水道光熱費は風呂の追い焚きをやめたり、より安い電力会社へ切り替えることも検討するとよいかもしれません。

 

変動費は毎月の支出額が変わるため、効果が一定ではありませんが、生活習慣を見直すことで安定して支出を抑えられます。

 

まとめ:バランスよく支出を見直して、貯蓄率アップを目指そう!

ここまで貯蓄率について、目安や決めるための要素、上げるためのポイントを解説しました。貯蓄率を上げるには、収支を把握したうえで3割を目安に計画を立てることが重要です。

 

一方で、3割という貯蓄率の目安や内訳を理解しても、具体的な目標を決めたり、6つの要素を組み立てたりと、いきなりロジカルに考え始めるのは難しいもの。まずは足元の固定費の見直しからやってみませんか。

 

ライフイベントも計画に入れたうえで、固定費や変動費を見直すと貯蓄率をアップさせやすくなります。収支の把握をしたうえで、貯蓄率について詳しく検討したい人は「家計見直し診断」をぜひお試しください。

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