家計の見直しをしたいけど行動に移せずにいる方へ、今回は家計を見直す際に必要な3ステップを紹介します。事例と合わせて解説するので、3ステップを参考にしながら、取り入れやすいものから始めてみましょう。
このページの目次
家計の見直しができない3つの原因
家計の見直しを検討している方は、以下の悩みに直面しているのではないでしょうか。
- 収入が減って家計が苦しい
- 預貯金が少ない
- 将来や老後のお金が不安
新型コロナウイルス感染症の流行もあり、お金の不安はなかなか尽きることがありません。お金の不安が尽きない今の時代だからこそ、以前より「家計の見直し」について意識する方も多いのではないでしょうか。
家計の見直しをしたいのに、できていないのには以下のような理由があります。
- 家計の見直しを何からやればよいか分からない
- お金の不安を解消する情報を知らない
- 家計を管理していないから現状がわからない
家計の見直しをしたいけどできていない方に向けて、家計の見直しをしないと今後どうなってしまうのか、をお伝えするとともに、具体的な見直しのステップ・事例をご紹介します。
家計の見直しをせずに放置すると出費がかさむ可能性も!
コロナ禍や世界情勢が複雑に絡み、食費や電気代といった光熱費が高くなってきたと感じることはありませんか?
実は2022年10月には年内最多となる6500 品目超が値上がりし、食品値上げによる 1 世帯あたりの家計負担額は 1 ヵ月あたりで平均 5,730 円、年間で 68,760 円増加するといった調査報告があります。
物価や生活に欠かせない光熱費などは値上がりするのに対し、収入は思うように増えないことから、各ご家庭の家計には大きなダメージが直撃していると考えられます。
総務省統計局の「家計調査(二人以上の世帯)2022年(令和4年)8月分」では、消費面と収入面の変化について以下のデータを掲載しています。
2022年8月分 (今年度) |
比較時の増減 |
2021年8月分 (前年度) |
|
---|---|---|---|
消費支出 (二人以上の世帯) |
1世帯あたり 289,974円 |
←←←←←←← 名目8.8%増加* (23,336円差) |
1世帯あたり 266,638円 |
実収入 (二人以上の勤労者世帯) |
1世帯あたり 563,963円 |
←←←←←←← 名目1.6%増加* (8,594円差) |
1世帯あたり 555,009円 |
*名目の増減指標を記載
データからもわかる通り、値上げ・円安の影響によっては支出がさらに増加し、今より家計が圧迫されることは明らかです。また、収入面も前年度より減少していることから、家計へ大きな影響を及ぼすのは避けられないといえるでしょう。
現在の経済状況だからこそ家計の見直しは重要であり、そしていますぐに取り組む必要があるのです!本記事を読んだタイミングでさっそく家計の見直しを進めていきましょう。
家計の見直しには順番が大切!3つのステップ
家計の見直しの鍵は「順番」です。順番を間違えると大きく失敗してしまいます。家計を見直すうえで押さえてほしい3つのステップは以下の通りです。
〈ステップ1〉「家計簿」をつけて家計の現状把握!
〈ステップ2〉「固定費」は最初に見直すべし!
〈ステップ3〉「変動費」は毎日の積み重ねで節約!
理想の家計を手に入れるために、この3ステップで家計の見直しをするポイントを紹介します。
ステップ1. 「家計簿」をつけて家計の現状把握!
まずは家計の現状把握を行いましょう。家計の現状を把握すると、どの項目の支出が多いかがわかるからです。また、家計を改善する方法も自然と見えてきます。そのためにも、まずは1ヵ月の支出を家計簿に記録してみましょう。
家計簿のつけ方とポイントについて詳しく説明します。
1. 家計簿のつけ方
固定費・変動費に分けて1ヵ月の支出を記入しましょう。
固定費 | 変動費 | |
---|---|---|
意味 | 毎月必ずかかる固定の費用
金額の変動が少ない |
毎月変動する費用 |
例 | 住居費:
家賃・住宅ローン
水道光熱費: 電気代・水道代・ガス代
自動車費: 駐車場代、自動車ローンなど
通信費: 携帯電話・インターネット料金など
保険料: 生命保険、自動車保険など
教育費: 学費、習い事費用など |
食費:
食料品代、飲食代など
日用品:消耗品など
交際費: 飲み会・ご飯会、プレゼントなど
娯楽費: 旅行・趣味などの費用
|
より細かく家計を把握・管理したい方は「変動費」の費目を増やすとよいでしょう。
2. 家計簿を続けるポイント
家計簿をつける作業は面倒ですが、続けるためのポイントが2つあります。2つのポイントを押さえて、継続的に家計管理をしていきましょう。
1. 大まかな項目に分類して家計簿をつける
項目を細かく付けると家計簿が続かなくなります。例えば、食事でも家での食料を買った場合は「食費」、友達と外食した場合は「交際費」と分けてしまうと面倒になります。大まかな項目に分けてつけると、家計簿をつける習慣が身につきやすくなるでしょう。
2. 家計簿を書くだけで終わらずに振り返る
せっかく1ヶ月家計簿をつけても、振り返りをしないと意味がありません。家計簿を振り返ると、どの項目の支出が多いなどのお金の使い方の傾向が見えてくるため、支出が多い部分は減らす努力ができます。1ヶ月家計簿をつけたら、振り返る癖を身につけましょう。
ステップ2. 「固定費」は最初に見直すべし!
家計簿で現状の家計を把握したあとに、まず見直すべきところは固定費です。
固定費は毎月の金額の変動が少なく、多額の費用がかかっている場合が少なくありません。
固定費の見直しはインパクトが大きく、一度見直すとそのあとしばらく見直さなくてもよいというメリットもあります。ここでは5つの固定費の節約方法を見ていきましょう。
固定費 | 節約方法 |
---|---|
1.住居費 | ・賃貸の場合、引越しをして毎月の家賃を削減する
・購入している場合、住宅ローンの借り換えや繰上げ返済を検討する |
2.水道光熱費 | ・契約会社や契約プランを見直す
・電気とガスのセットプランで契約する |
3.通信費 | ・スマホ料金プランを見直し、格安SIMやサブブランドに変更する
・インターネット回線を見直す |
4.自動車費 | ・自動車保険を見直す
・駐車場を安いところで契約する ・車を所持しない選択をする (カーシェアリングやレンタカーなどで必要な分だけ利用する) |
5.保険料 | ・保障内容の重複がないか確認する
・定期的に保険内容を見直す |
このように「固定費」から見直せる費目はないかを洗い出すことで、スムーズな家計の見直しが進められるようになります。
今すぐ固定費の見直しを行いたい方はこちら!
ステップ3.「変動費」は毎日の積み重ねで節約!
変動費は固定費に比べて節約効果が大きくはないものの、毎日の積み重ねが大切です。そのためにもまずは無理のない範囲で行ってみるのがよいでしょう。
変動費の中でも出費がかさむ食費・交際費の節約方法は以下の通りです。
変動費 | 節約方法 |
---|---|
1.食費 | ・食料品の買い物の回数を減らす
・外食、コンビニなどを控えて自炊をする ・ポイントにつられて買い物しない |
2.交際費 | ・月にどのくらい交際費を使うか決める
・自分にとって優先度の低い飲み会には参加しない・参加する回数を減らす ・施設料や駐車料金がかからないところへ行く |
家計の見直しの改善事例をご紹介!
ここからは具体的な事例を用いて、家計改善をポイントに沿ってわかりやすく説明します。30代夫婦・どちらも会社員の事例を見ていきましょう。
◇30代夫婦(夫妻ともに会社員)の事例
内容:住宅購入・老後の資金を貯めたいと考えているが、貯金ができていない
1. 家計簿をつけて現状把握
まず、現状把握のために家計簿をつけてもらいました。
結果は以下の通りです。
固定費 | 金額 |
---|---|
住居費 | 80,000円 |
水道光熱費 | 25,000円 |
自動車費 | 20,000円 |
通信費 | 15,000円 |
保険料 | 15,000円 |
変動費 | 金額 |
食費 | 50,000円 |
日用品 | 15,000円 |
交際費 | 10,000円 |
娯楽費 | 10,000円 |
2. 固定費の見直し
現状を把握したうえで、以下の通り固定費を見直しました。
固定費 | 見直し前 | 見直し後 | 見直し内容 |
---|---|---|---|
住居費 | 80,000円 | 70,000円 | 引越しで家賃削減 |
水道光熱費 | 25,000円 | 20,000円 | 電気・ガスセット割引 |
自動車費 | 20,000円 | 20,000円 | 変更なし |
通信費 | 15,000円 | 7,000円 | 格安SIMに変更 |
保険料 | 15,000円 | 12,000円 | 重複している医療保険を見直す |
合計:26,000円削減 |
3. 変動費の見直し
次に、変動費も無理のない範囲で見直しました。
変動費 | 見直し前 | 見直し後 | 見直し内容 |
食費 | 50,000円 | 43,000円 | 外食を減らす |
日用品 | 15,000円 | 15,000円 | 変更なし |
交際費 | 10,000円 | 8,000円 | 優先度の低い飲み会に行かない |
娯楽費 | 10,000円 | 10,000円 | 変更なし |
合計:9,000円削減 |
結果:全体で35,000円削減できたので、その分を貯金に回せました。
今回の事例を参考にしながら、自分の家計事情を把握し、可能な範囲で改善していきましょう。
家計の見直しについてはぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
まとめ
本記事では、家計の見直しの重要性・見直しの3ステップ・事例を紹介しました。
家計簿をきちんとつけて家計の現状を把握し、固定費を中心にできる項目から見直していきましょう。