生命保険の目的とは?知らないと損するポイント10選!

生命保険とは、家族が亡くなった際や、病気・ケガ、介護が必要になった際に生活を支援するものです。生命保険に加入するには「自分にとってどんな保険が必要か」を理解したうえで加入する必要があります。なぜなら保険料や保障内容だけで安易に選ぶと、後々損をしたり、トラブルにつながったりする可能性があるからです。

 

ここでは生命保険の知らないと損をするポイント10選を紹介します。加入を検討する方は保険商品の概要やリスク、健康状態についてなど、生命保険には欠かせない要点を理解しましょう。

 

生命保険の目的を把握しよう!知っておくべき10種のポイント

保険パンフレット
生命保険加入を検討するには、まず「自分にはどんな保険が必要か」を考えることが大切です。なぜなら、ライフスタイルなどによって一人一人必要な保険が異なるからです。

生命保険料や保障内容だけで安易に選ぶと、あとあと損をしたり、トラブルを引き起こしたりする可能性もあります。

 

生命保険の加入を検討している方は「自分にぴったりな保険とはなにか」を判断しやすいよう、これからご紹介する10種のポイントを参考にしてください。

 

生命保険の加入目的を明確にする

まずはなぜ生命保険に入る必要があるのか、加入における「目的」を洗い出しましょう。

 

人の生活には病気・死亡・介護・老後など、さまざまな問題が潜んでいます。このような、生活において可能性が0ではない病気やケガなどで発生する費用に備えるものの1つが「生命保険」であると考えられます。「リスクに備える=保険に入る目的」と捉えるとよいでしょう。

 

保険の目的を理解していないと「まわりにお薦めされた保険なら安心だろう」など、安易な理由で加入してしまうことも少なくありません。必要以上の生命保険に加入する可能性を避けるためにも、まずは加入目的をしっかり考えましょう。

 

自分にどんなリスクがあるかを知る

生命保険加入を検討する場合は「自分にどのようなリスクがあるか」について、より具体的に考えることが大切です。

 

人生には4つの経済的リスクがあります。これを「生老病死」と呼びます。
※「生老病死(しょうろうびょうし)」は、F.L.Pの登録商標です。(登録番号第5326045号)

 

名称 リスクの内容 概要
「生」 生活するうえでの経済的リスク 生活費、マイホーム資金、教育資金など
「老」 老後生活への経済的リスク 公的年金以外の老後生活資金
「病」 病気・ケガになった時の経済的リスク 病気・ケガによる入院・手術などの医療費、入院が長引いた際の収入減少や家族の生活費など
「死」 亡くなった時の経済的リスク 葬儀代、残された家族の生活費など

 

上記4つのリスクから、自分にはどのようなリスクがより身近であるかを考えてみましょう。例えば独身の方なら「病気」「ケガ」のリスクに備えます。万が一の病気やケガによって、仕事ができず、無収入になる可能性があるからです。入院費用や生活費などを確保するための生命保険加入を検討しましょう。

 

一方、既婚者であれば、病気によって仕事ができなくなった場合や、万が一の死別に対しての生命保険加入を検討しましょう。守るべき家族の生活を維持できるよう「病気」「ケガ」「死亡」のリスクに備えるのが望ましいです。

 

現状の自分にとって「どのようなリスクがより身近であるか」を考えることで、備えるべき項目が見えてくるでしょう。

 

生命保険で備えるべきリスクを知る

人生にはさまざまなリスクがありますが、すべてを生命保険で備える必要はありません。備えの必要なものを「リスク」と「支出」で分類した図を見てみましょう。

 

引用:vol.4 「健康に自信があれば保険に入らなくていい」って本当? 20~30代女性の素朴な疑問を解消|SOMPOひまわり生命保険 Linkx Life is

 

SOMPOひまわり生命保険公式サイト「Linkx Life is」内の『「健康に自信があれば保険に入らなくていい」って本当? 20~30代女性の素朴な疑問を解消』では、表を用いて人生のリスクを解説しています。各象限のイメージは以下の通りです。

 

  • リスク低・支出大→病気や交通事故による大けがなど
  • リスク高・支出大→マイホーム購入や定年退職後のセカンドライフに必要なお金
  • リスク低・支出小→病気やケガによる短期入院など
  • リスク高・支出小→軽微な病気やケガなど

 

表を見てわかるように、生命保険をはじめとする「保険」で備えるべき分野は「起きるリスクは低いが、起きた時に支出が大きいリスク」です。老後資金などリスクも支出も大きいものは、長期的な貯蓄や資産運用で備えることも可能です。

 

病気・ケガの医療費に関しては、起きたときに支出が大きいリスクではあるものの、社会保障・貯蓄の範囲でまかなえる場合は、生命保険の加入は必要ないと考えられます。

 

社会保障でカバーできない部分のみ民間の生命保険で備える

日本の社会保障制度ではカバーできない部分を民間の生命保険でまかなう方法もあります。ここではまず社会保障制度について押さえておきましょう。

 

社会保障制度とは国民の「安心」や生活の「安定」を支えるセーフティーネットで、「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療・公衆衛生」の4種類があります。

 

社会保障制度の中でも保険に関連する「社会保険」について説明します。

 

社会保険とは、国民が病気・ケガ、死亡など生活の困難をもたらすいろいろな事故に遭遇した場合に一定の給付を行い、その生活の安定を図ることを目的とした保険のひとつです。社会保険の中でも特に身近な3つについて概要をおさらいしておきましょう。

 

 

社会保険の種類 概要
医療保険 病気やケガをした際に医療機関を受診すると医療費の自己負担額が原則1〜3割となる

 

・高額療養費制度

・傷病手当金など

年金保険 老齢給付・障害給付・遺族給付に関する機能がある

 

・国民全員が加入する国民年金

・会社員などが加入する厚生年金

介護保険 40歳から介護保険料を納め、要介護認定を受けた際に介護サービスを受けられる(負担額は原則1割)

 

このような社会保障制度で不足する部分を補完する役割として民間の生命保険があると理解しておくとよいでしょう。

 

なお、社会保障制度で不足する部分を生命保険で補完する場合の一例は以下の通りです。

 

社会保険の種類 一例
医療保険 社会保険は医療費のみ

→生命保険で入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療の費用などの高額な手術代に備える

年金保険 社会保険は最低限の決められた金額のみ支給

→生命保険で今後の生活費などを含めて上乗せして備える

介護保険 社会保険は介護サービスを受けられる

→生命保険で施設利用料・リフォーム代・その他費用を備える

 

社会保障制度は主に病気やケガ、死亡に伴う生活の困窮に対する給付です。しかし、全てを社会保障制度でまかなうことはできません。

 

十分な保障を確保するためには、医療保険・年金保険・介護保険の特徴や、それぞれでカバーしきれない点を知り、自分や家族に必要な生命保険を検討するのが望ましいです。

 

複数社で比較検討する

世帯で年間いくら保険料を払っているかご存じですか?世帯の年間払込保険料は平均で37.1万円、30年加入するとなんと1,113万円にもなります。金額でも明確ですが、保険は人生で2番目に高い買い物といわれています。

 

保険料を少しでも抑えるためにも、まずは「保険商品の比較検討」をしましょう。同じ商品でも保険会社によっては保障内容や保険料が異なるからです。

 

「医療保険が安い」「がん保険に力を入れている」「貯蓄保険の運用率がいい」など保険会社ごとに特徴もさまざまです。

 

生命保険を検討する場合は、複数の生命保険会社から保険商品を比較し、納得できる保険に加入しましょう。

 

生命保険の仕組みを理解する

大前提として、生命保険には「相互扶助の原理」があります。

「相互扶助の原理」とは、生命保険は大勢の契約者が保険料を負担し、その財源から、誰かが死亡したときや病気になったときに保険金や給付金を受け取る仕組みです。

 

 

参考:生命保険の基礎知識|一般社団法人生命保険協会

 

そのため、保険料をかけてもその分がすべて返ってくるわけではありません。

 

さらに、生命保険の保険料は「純保険料」と「付加保険料」で成り立っています。

 

  • 純保険料:将来の保険金の支払いに備えて保険会社が積み立てる保険料
  • 付加保険料:保険事業を運営するために必要とされる費用にあてる保険料
    新契約締結・成立費用、保険料集金に要する費用、契約を維持・管理するための費用など

 

付加保険料は​​​​​​保険運営費用ともいえるからこそ、保険会社によって異なっており保険料に差が出ているのです。

 

貯蓄型の生命保険を貯金と同じと考えて加入している人がいます。しかし、仕組みを理解すると保険料のすべてが貯蓄に回っているわけではなく、保険運営費用に一部がまわっていると理解できます。

 

生命保険の保険料の仕組みには相互扶助の原理があることを踏まえて検討しましょう。

 

保険料の算出方法を把握する

生命保険の保険料は統計に基づいて年齢、性別に応じた保険料を算出します。

若い方の保険料が安い理由は病気・ケガ・介護・死亡などのリスクが少ないためです。生命保険制度は統計に基づいて算出しており、公平に助け合う制度であると知っておきましょう。

 

また、最近では「健康増進型保険」も増加傾向にあります。健康増進型保険とは、契約後の健康状態や健康増進への取り組みによって保険料の割引や還付などがある保険です。保険料がどのような原理で請求され、どういった仕組みがあるのかについては公益財団法人生命保険文化センターの記事を参考にしてください。

 

加入できない保険種類をチェックする

生命保険の中には特別な条件をクリアしたうえで加入可能な保険も存在します。加入を検討する場合は「現在の自分でも入れる保険とはなにか」をチェックする必要があります。

 

加入時には契約者の健康状態・既往歴等を告知しなければなりません。これを「告知義務」と呼びます。もし事実とは異なる内容を告知した場合は「告知義務違反」となり、保険金が支払われないなどのペナルティーの対象となります。

 

また、健康状態や病歴などによっては契約を断られる場合(謝絶)があります。

 

健康状態に不安がある方や保険加入を謝絶された方は、加入条件が緩和された「引受基準緩和型」「限定告知型」「無選択型」の保険があります。

 

加入条件を緩和した保険の種類 概要
引受基準緩和型保険 告知の内容が限られた項目のみで

引受基準が緩和されている保険

限定告知型保険
無選択型保険 告知や診査が不要な保険

 

 

なお、生命保険に加入できても告知内容によって以下のような「特別条件」が付く場合があります。

 

  • 保険料の割増:保険料が通常の保険よりも割高になる
  • 保険金額の削減:受け取れる保険金が削減される
  • 特定疾病・部位の不担保:特定の疾病や部位を保障の対象から外す

 

保険に加入する際は健康状態によって加入できない場合があると覚えておきましょう。

 

注意すべき生命保険をチェックする

保険加入を検討する際には「特約がたくさん付いたもの」や「更新型保険」を視野に検討する場合もあるでしょう。

 

しかし、特約がたくさん付いた保険や更新型保険は「注意すべき生命保険」と考えられます。なぜならこれらの保険は、必要以上に保障を多く付けたり、更新時点の年齢のリスクによって保険料が高くなる可能性があるからです。

 

それぞれの注意点を見てみましょう。

 

更新型保険 更新型保険は契約から一定の期間を保険期間とし、保険期間満了のたびに更新を繰り返す保険。

 

更新時にはその時点での年齢や保険料率によって再計算されるため、全期型(非更新型)と比べると保険料が高額となるので注意が必要です。

 

なお、保険料を上げずに更新する場合、保障の金額が下がったり、保障のカバー範囲が変わったりする可能性があるため併せて注意する必要がある。

特約が多くついている保険 特約が多くついていると、保障内容が重複する可能性がある。また重要性の低い特約がついているのを見落とす可能性もあるため注意が必要。

 

 

注意点をふまえたうえで保険に加入することで、自分に合った保険の形が自然と見つけやすくなるでしょう。

加入後は定期的な見直しをする

生命保険に加入してから一度も見直しをせずにそのままにしていませんか?加入後も見直すタイミングがありますのでご紹介します。

 

見直すタイミング 見直す内容
 

 

1. ライフステージの変化

 

結婚・出産時 死亡保障を追加
マイホーム購入時 死亡保障を削減

(団体信用生命保険に入るため)

家族構成の変化

(子どもの独立等)

保障内容を調整

(過払いを防ぐため)

2. 保険の更新時

保険料が高いと感じた時

保障内容を調整して

保険料を削減

3.   以前の健康状態より良くなった時

新商品が発売された時

よりよい条件の保険であれば

加入

 

また、保険商品も年々改良されており、新商品も続々と登場しています。

最新の情報を入手して、加入後も定期的に見直しましょう。

 

まとめ

生命保険は人生5大支出の1つであり、数千万円を超える支出となります。知っておくべき10のポイントを参考に、生命保険について理解を深めて取捨選択しましょう。

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