みんなどうしてる?生活費を最適化するシミュレーションを紹介

手取り額から生活費を算出する際、「生活費を使い過ぎている気がする」「物価の高騰で今後の生活が不安」と悩みますよね。

 

生活費は、固定費を削減することで即効かつ長期的に節約可能です。安心して生活できるように現状把握から始めましょう。

 

この記事では、手取り額に見合った生活費について詳しく紹介します。固定費を節約するポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【本記事の登場人物】
税理士:目黒さん(松原さんの高校時代の親友)

 

相談者:松原さん
30代男性 独身
年収350万円

 

固定費(特に電気代)見直しを検討している
暗号資産・FXなどにも興味があり、なるべく損したくない

 

1人暮らしにおける生活費の平均は15〜19万円

 

松原
そもそも、1人暮らしの会社員における生活費は、一体いくらが目安になるのだろう…
目黒
総務省統計局が公表している2021年の単身世帯の家計調査結果から、一人暮らしの1ヵ月あたりの生活費は、15〜19万円程度が目安と報告されているんだ。1人暮らしの1ヵ月あたりの生活費を一覧で確認してみよう。
生活費の項目 金額
食費 41,731円
住居 22,118円
水道光熱費 11,383円
家具・家事用品 5,830円
被服・履物 4,843円
保険医療 7,703円
交通・通信費 18,916円
教養・娯楽費 17,654円
その他 24,868円
消費支出 155,046円

 

目黒
上記の住居費は、社員寮や県営住宅などに住んでいる単身世帯が含まれている。民間の賃貸住宅を借りて住んでいるケースに限定すると、住居費は平均5万円ほどになるよ。
松原
地域によっても住居費は変動するからな。実際にかかっている住居費が5万円よりも高い場合は、1ヵ月あたりの生活費がその分多くかかるということか。

 

現在の生活費の内訳を把握しよう

目黒
次に、現時点での松原の1ヵ月あたりの生活費を見てみよう。
生活費の項目 松原の金額 理想の金額
食費 50,850円 41,731円
住居 46,000円 22,118円
水道光熱費 14,163円 11,383円
家具・家事用品 5,217円 5,830円
被服・履物 4,544円 4,843円
保険医療 7,838円 7,703円
交通・通信費 22,492円 18,916円
教養・娯楽費 20,321円 17,654円
その他 20,040円 24,868円
消費支出 192,465円 155,046円

※交通・通信費については合算金額となります。

 

目黒
最初に挙げた生活費の理想である15~19万円程度と比較すると、少なくとも2,400円はオーバーしていることになるね。
松原
こうして内訳を確認してみると、どの項目にお金を使い過ぎているかが一目瞭然だな。

 

近年続く電気代・食費の上昇

松原
ここ数年、日本は円安で電気代や食材の上昇が目立つよな。
目黒
そうだね。特に生鮮食品を除く食料は、1981年8月の4.7%上昇以来、約41年ぶりの上昇率を記録しているんだ。電気代は21.5%ほど上がっているらしいよ。
松原
家計を苦しめる原因とはいえ、大幅な節約は難しそうな項目だな…
目黒
次の章から、理想的な生活費の内訳に近づける方法を詳しく紹介するよ。

 

理想的な生活費に近づくための重要項目を見直そう

 

目黒
ここからは、松原が生活費を削減するポイントとして、以下の項目を見直していくよ。
生活費の項目 松原の金額 理想の金額 削減を検討したい金額
水道光熱費 14,163円 11,383円 3,780円
交通・通信費 22,492円 18,916円 3,546円
食費 50,850円 41,731円 9,119円
娯楽費 20,321円 17,654円 2,667円

 

目黒
上記の項目を削減することで、継続的な経費削減効果を得られるよ。固定費の水道光熱費と通信費は特に重要だからしっかり確認して欲しい。その他に変動費の紹介もするね。
松原
継続的に経費を削減する場合は、固定費の見直しが必要になりそうだな。
目黒
その通り。例えば、毎月2万円が発生しているサービスのプランを月1万円のプランに乗り換えた場合、利用料金が高騰しない限り半永久的に1万円の固定費が削減できるよ。
松原
固定費の節約効果が出やすいのは理解したけれど、どの項目を見直す必要があるかが把握しきれていないんだよな。
目黒
節約を実践しやすい項目から解説するから安心してね!まずは、生活費の支出を知るための「家計見直し診断」を使うことから始めよう。

 

項目①:水道光熱費

松原
水道光熱費を節約するには何から始めたら良いんだろうか。
目黒
水道光熱費について松原と理想の金額を比較すると、3,780円もオーバーしているね。

 

理想:11,383円
現状:14,163円

 

目黒
水道光熱費には「ガス代」「水道代」「電気代」の3つがあって、それぞれの支出を減らすことで、無駄な出費を大きく削れるぞ。さっそく確認していこう。

 

ガス代の節約方法

 

松原
数千円単位の節約を考えると、やっぱりガス会社を変えるしかないのか?
目黒
例えば、お風呂の追い焚き回数を減らしてみるのはどうかな?追い焚き1回につき都市ガスの場合約100円、プロパンガスの場合約159円がかかるんだ。
松原
風呂の追い焚き回数を減らすことならできそうだな。
目黒
湯煎が溜まったら放置せず、すぐに浸かることを心がけよう。

 

水道代の節約方法

 

松原
水道代については、どう節約したら良いんだ?トイレの回数を減らすわけにもいかないぞ。
目黒
たしかに現実味がないね…。シャワーの使用頻度を見直すなら、シャワーヘッドやケレップの交換が効果的だよ。洗濯機の使用を週末にまとめたり、週2回と回数を決めるのもおすすめだね。
松原
今日からさっそく実践してみるか!

 

電気代の節約方法

 

松原
節約が難しそうな電気代については、どう対策したら良いんだ?
目黒
まずは、起動し続けている電化製品の使用頻度を見直してみたらどうかな?経済産業省資源エネルギー庁によると、電化製品の使い方を以下の通りに見直すことが推奨されているよ。
家電 節電内容 節約できる金額
エアコン 室内を冷やしすぎず、室内温度を無理のない範囲で上げる 年間約940円の節約
必要なときだけをつける 年間約580円(冷房)・1,260円(暖房)の節約
暖房時の室温は20℃を目安にする 年間約1,650円の節約
月に1〜2回のフィルター掃除 年間約990円の節約
冷蔵庫 食材を詰め込みすぎない 年間約1,360円の節約
開閉回数の削減 年間約320円の節約
設定温度の見直し 年間約1,910円の節約
壁との間隔の見直し 年間約1,400円の節約
電気ポット・炊飯器 使用しないときはプラグを抜く 年間約450円の節約
テレビ 視聴しないときは電源を切る 年間約3,330円の節約

 

松原
今から実践できる節電方法がほとんどだな。まずは不要な電化製品の起動から削減してみるよ!
目黒
より詳しく水道光熱費代の節約方法を知りたいなら、以下の記事を参考にしてみてね。

 

 

項目②:通信費

目黒
松原の場合、通信費の出費も見直した方が良いかもね。交通費と合算した金額である旨をもう一度確認してみよう。

 

理想:18,916円
現状:22,492円

※交通・通信費については合算金額となります。

 

松原
交通費よりも通信費を考慮した方が良いのか?
目黒
交通費の削減は個人差が生まれやすいし、大幅な改善の見込みがあるとは言い切れないからね。今回は通信費の見直しを提案するよ。
松原
交通費と合わせても3,576円もオーバーしているな…
目黒
通信費が高いと感じるなら、現在の料金プランを1ランク下げたり、他社へ乗り換えたりすると良いよ。
松原
プランの変更は見落としていたな。スマホの使用頻度と合わせて見直してみるか。
目黒
携帯会社にこだわりがないなら、格安SIMを利用することもおすすめだよ。月額料金を3,000円以下にできるからね。
通信費の詳しい見直し方法については、以下の記事を参考にしてみてね。

 

 

番外編①:食費

松原
1ヵ月あたりの生活費の内訳を見ると、食費の占める割合が大きいな…
目黒
理想的な食費にするためにも、9,119円の節約が必要だね。1日3食の自炊を30日間続けた場合を想定して、全国平均と松原の計算結果を出してみたよ。

 

理想:41,731円(1食およそ463円)
現状:50,850円(1食およそ565円)

 

松原
つまり、1食102円分の節約をすれば平均値に近づけるのか!
目黒
その通り。1週間の食費を9,723円以内に収めるように買い物してみて。
また、自炊や食材にこだわりすぎないのもポイントになるよ。お弁当やお惣菜を買った方が安く済む場合もあるからね。
松原
これを機に節約レシピに挑戦してみるか…
目黒
詳しい食費の節約方法については、以下の記事も参考にしてみると良いよ。

 

 

番外編②:娯楽費(サブスクリプション)

松原
「娯楽費」は固定費に該当しないと思ったが、見直すポイントがあるのか?

 

理想:17,654円
現状:20,321円

 

目黒
娯楽費の中でも、サブスクリプションに加入している場合は要注意なんだ。使用頻度が会員費に見合っていない場合もあるからね。
松原
たしかに。去年、映画・漫画見放題のサブスク(月額2,189円)に加入したが、今は全然視聴できていないな。
目黒
プランの変更や解約をすることで、娯楽費の出費も効率よく節約できるね。
松原
娯楽費の差額も埋められるし、思い切って解約してくるか!

 

番外編③:住宅費や家賃の値下げ

松原
固定費の大幅な節約って聞くと、家賃を値下げするイメージが強い気がするな。
目黒
家賃は手取り収入の3分の1から4分の1以下に抑えるのが理想とされているよ。4分の1以下に抑えられれば、貯金がしやすくなるからね。
松原
家賃を値下げするためのポイントはあるのか?
目黒
住むエリアや沿線、最寄り駅からの距離、築年数、間取りなどの条件に優先順位を付けて、優先順位の低い条件から見直すと良いよ。
松原
たしかに妥協できる条件を持っておけば、満足できる物件を見つけやすくなりそうだな。
目黒
引越し先の賃貸物件を探す際、初期費用を抑える方法を知りたいなら、以下の記事を参考にすると良いよ。

 

 

番外編④:節税対策を検討する

松原
固定費を節約せずに貯金を増やす方法はあるのだろうか?
目黒
社会人の方でも実践できる節税対策を検討するのがおすすめだよ。収入アップを狙うだけでなく、節税によって可処分所得を増やせるんだ。
松原
今の生活を維持しながら税金対策をできるのは嬉しいポイントだな。
目黒
以下の記事で、サラリーマンが実践できる節税方法について紹介しているよ。よかったら参考にしてみてね。

 

 

まとめ

 

本記事では、一人暮らしの社会人に向けた生活費の目安や削減方法を紹介しました。

 

生活費は即効性や持続性、値上げラッシュを考慮して、固定費の削減がおすすめです。

 

いきなり大きな金額を削るのではなく、始めやすい固定費削減のステップから実践してみましょう。

 

固定費削減を見える化したい方は、まずシミュレーションから始めてみてはいかがでしょうか。

 

まずは「家計見直し診断」の利用からご検討ください。

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