住宅の購入は人生の中で最も大きい買い物といえます。人生で1度あるかないかの買い物で失敗しないためには、住宅の購入タイミングがとても重要です。
本記事でわかる内容は以下のとおりです。あなたにとって住宅購入にピッタリなタイミングはいつか、検討してはいかがでしょうか?
- 住宅購入時の平均年齢・平均年収
- ライフステージによる住宅購入のタイミング
- 住宅購入の際に注意したい情勢の変化
このページの目次
住宅を購入する平均年齢や世帯年収
まずは、住宅を購入するタイミングの世の中の平均年齢や世帯年収について解説します。それぞれのデータを参考にご自身の年齢や世帯年収と照らし合わせてみましょう。物件による購入年齢の違いも重要なチェックポイントです。
住宅の種類別にみる平均購入年齢
令和3年度「住宅市場動向調査報告書国土交通省住宅局」のデータによる住宅の購入平均年齢は以下の通りです。
・新築の場合
注文住宅 | 40歳 |
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分譲戸建住宅 | 38歳 |
分譲マンション | 44歳 |
・中古の場合
中古戸建住宅 | 46歳 |
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中古マンション | 46歳 |
世帯主の平均年齢をみると「注文住宅(新築)」「分譲戸建住宅」「分譲マンション」などの新築をはじめ、「中古戸建住宅」「中古マンション」といった中古でも 30〜40 歳中盤の世代が割合を占めていることがわかります。
平均年齢から考える住宅購入では、一次取得者(初めて住宅を購入した方)や二次取得者(2回目以降の住宅購入者)の取得状況から見ると「30〜40歳代」がピークといえるでしょう。
住宅の種類別にみる購入時の平均世帯年収
平均世帯年収についても見ていきましょう。令和3年度「住宅市場動向調査報告書国土交通省住宅局」のデータによる住宅の種類ごとの購入平均世帯年収は以下の通りです。
・注文住宅の場合
注文住宅 (全国) | 779万円 |
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注文住宅(三大都市圏) | 909万円 |
・分譲(戸建て・マンション)の場合
分譲戸建住宅 | 719万円 |
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分譲マンション | 912万円 |
・中古(戸建て・マンション)の場合
中古戸建住宅 | 687万円 |
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中古マンション | 745万円 |
世帯平均年収を見ると分譲マンションを購入する方が最も平均世帯年収が高いです。このような背景は、マンションの立地するエリアによるものだと考えられます。マンションが存在するエリアは主に主要都市部です。立地条件に連動して、収入も高い傾向にあると考えられます。
同時に世帯平均年収が900万円程度ある方は、中古マンションや分譲マンションを購入したとしても生活が成り立っているといえるでしょう。
ライフステージに合わせた住宅購入のタイミング3選
住宅購入のタイミングはそれぞれ異なりますが、人生の節目に住宅を購入される方が多くいます。ここからは結婚や出産、子どもの自立など、各ライフステージで変わる住宅購入のタイミングについて解説します。
タイミング①結婚による住宅購入
住宅を購入するタイミングとして真っ先に挙げられる理由が「結婚」です。結婚をきっかけとした住宅の購入はハネムーンハウジングとも呼ばれます。これは賃貸のマンションやアパートに家賃を払い続けるのではなく、結婚を機に住宅を購入し、家賃と同じ金額の住宅ローンを組んだ方がよいという考え方です。
また、結婚を機に住宅を購入すると若いうちから住宅ローンが組めるため、共働きをしながらの繰り上げ返済や、定年退職の前にローンの完済ができるといったメリットもあります。ほかにも賃貸物件を借りる際にかかる敷金・礼金といった費用を住宅ローンの頭金に回すことも可能です。
近年は住宅ローンの金利が比較的低金利で推移しているため、金利が安い間にローンを組むとトータルで見た返済額を減らせます。
ただ、家族構成が確定していない状態での住宅購入は、間取りの不都合や育児環境などを検討する際に大きく左右されるため、慎重に選んだ方がよいといえるでしょう。
タイミング②一緒に住む人が増えることによる住宅購入
結婚と同じく「出産」もタイミングの一つといえるでしょう。子どもが増えると成長に合わせた住宅設計を考えられるため、購入する住宅の具体的なイメージを固めやすいです。
この時期に家を購入すると、住宅ローンも子どもの成長や育児に関する出費を想定しながら返済プランが組めるのがメリットです。しかしながら、共働きの夫婦の場合は、出産前後の入院期間中は女性が働けなくなる可能性も考えられます。収入の増減まで考慮した返済プランを立てるのが大切なポイントといえるでしょう。
また、介護が必要となった両親が一緒に住むようになった場合も、住宅購入のタイミングの一つです。バリアフリーに特化した設計である住宅や、部屋の数が多い住宅が必要となるためです。
このように一緒に住む人が増えるタイミングは、住宅購入を考える大きなポイントとなるでしょう。
タイミング③子どもの自立による住宅購入
子どもが自立するタイミングで住宅を購入する方もいます。子育てが終わり、子どもが自立するとこれまで大人数で暮らしていた自宅を持て余してしまい、使わなくなった部屋の管理も手間になります。そのため、これまでよりも狭い住宅を購入し、移り住むケースも珍しくありません。
しかし、子どもが自立したタイミングで新たに住宅を購入すると住宅ローンの期間が少ないのに加え、定年退職後の収入減も相まって、月々の負担が大きくなってしまう可能性があります。
また、一般的には79歳までに完済しなければ住宅ローンが組めないことが多くあります。そのため、子どもの自立のときに住宅購入を考える際は年齢にも注意しましょう。
住宅購入のタイミングで考慮したい3つのポイント
これまでお話してきた通り住宅購入のタイミングは、自身の年齢・年収やライフステージの変化によるものが多いです。しかしながら、経済の変化や世界情勢によっても住宅購入のための総費用は異なります。
- 住宅の価格の変動
- 世界情勢の変化
- 税制の変化
これら3つを住宅購入のタイミングで考慮したいポイントとして、それぞれ解説していきます。
注意点①住宅の価格の変動
マンションや一軒家などの住宅は購入するタイミングによって大きく価格が変動します。2020〜2021年にかけては新築マンションを中心に、中古マンションや戸建て住宅も値上がりが続いています。今後も上昇していく可能性も視野に入れて住宅購入を検討するとよいかもしれません。
住宅の価格は地域によって多少の誤差はあるものの、今後全国的に上昇傾向にあるため、価格が低いタイミングで購入を検討するのも1つの戦略といえます。
注意点②世界情勢の変化
住宅購入を検討する際は世界情勢を考慮したタイミングを選ぶことも大切です。マンションや一軒家の価格は経済問題の影響で、今後も高止まりするかもしれません。
特に近年は新型コロナの影響で、住宅を作る際に使う木材が調達困難になっており、建材や設備機器の価格も軒並み上昇しています。
また、世界情勢の影響によっては、アルミやステンレスといった建築資材も入手しにくい状況になっているため、住宅価格の高騰は今後益々深刻になりそうです。
注意点③税制の変化
住宅は購入した際の税制や金利によって支払う金額の総額が大きく変わります。日本では住宅ローンを組む際の税制の優遇措置として住宅ローン控除が用意されています。住宅ローン控除は控除期間が10年、控除率は1%でしたが、2019年10月の消費税増税を受け、13年に延長されました。また2022年に制度が改正されたことによって、控除率が1%から0.7%に引き下げられています。
新築マンションだけでなく、中古マンションも住宅ローン控除の対象です。住宅ローンの金利では、長期固定金利の住宅ローンとして知られるフラット35の金利が1.4%前後で推移しており、今後徐々に上昇していく見通しです。
税制や金利については、急激な変化が起こることは考えにくいですが、将来的に住宅ローン控除の制度縮小も検討されているため、制度の動きに合わせたタイミングで住宅の購入を検討する必要があります。
まとめ
住宅を購入するタイミングは人によって異なります。結婚や出産といった人生の転機になるタイミングで購入に踏み切る方はもちろん、年齢を重ね経済的に安定したタイミングで購入を検討する方も多いです。
また、住宅は1軒当たりの金額が非常に大きい買い物になるため、金利や税制が有利となるタイミングで購入すると、支払う総額を大きく抑えられます。近年は世界情勢の変化により景気が不安定であるため、住宅の購入を躊躇う方もいます。しかし、正しい情報と知識を元に、自分の経済状況に合わせた物件を選べば、住宅購入も難しくはありません。
今後の住宅購入を見据えて、現在の家計を見直してみるのも一つです。固定費の見直し可能性が分かる「家計見直し診断」をぜひお試しください。
なお、マンションにおいては売却だけでなく、賃貸に出す方法も視野に入れると住宅購入の幅が広がるでしょう。戸建て住宅よりも貸借人を見つけやすく、有効活用しやすいのがマンションのメリットです。
マンション購入を検討予定の方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
理想の住宅が購入できるよう自分のベストタイミングを模索していきたいですね。