「去年と使用量は変わらないのに、料金があがっている!」
電気やガスの価格が大きく上がっている昨今、請求書を見て驚いている方も多いのではないでしょうか。電気やガスは、生活する上で欠かせないものです。使用をやめることはできませんが、少しでも出費を抑えたいですね。
今回は、一人暮らしの方に向けてすぐに実践できる光熱費の節約術をお伝えします。電気やガスの使い方を見直して、光熱費を節約しましょう。光熱費が上がって困っている方は、ぜひ参考にしてください。
一人暮らしの電気代・ガス代の平均
総務省が発表している家計調査によると、2022年の1ヶ月あたりの単身世帯の電気代の平均金額は6,838円、ガス代の平均金額は3,331円です。
生活スタイルや環境、住む地域、季節によって、電気やガスの使い方は異なります。そのため、あくまでも全国の平均金額として参考にしてください。
【単身世帯 電気代・ガス代の平均推移】
2021年5,482円3,001円2022年6,838円3,331円
電気代 | ガス代 | |
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2020年 | 5,791円 | 3,021円 |
参照元:総務省 家計調査
燃料単価の高騰や日本国内の電力不足などにより、2021年後半から電気代の値上がりが続いています。2022年は、電気代、ガス代ともに平均金額が大きく上がっているのがわかります。
実際、電気代やガス代に関して、一人暮らしなのに電気代やガス代が1万円前後になっているという声も多く聞かれます。(以下、Twitter より引用)
”一人暮らし。今回の電気代15000円いった ・・・えええええー?※オール電化でもなんでもない”
”一人暮らしだけど先月は電気代9000ちょいでしたわ”
”ガス代が高すぎる……一人暮らしで1万円超えるってヤバくない……?毎日お湯張ってるわけじゃないのに……みんなガス代いくらくらいなんやろ”
"ガス代の請求が11000円でびっくりしとんやけど 一人暮らしやねんけど"
電気代の節約術
家庭内にある家電製品の電力消費量は、多い順にエアコン、冷蔵庫、照明器具となっており、全電力消費量の5割以上を占めています。まずはこれらの家電製品の使い方を見直すことから始めましょう。
この記事ではエアコン、冷蔵庫、照明器具の具体的な節約方法をご紹介します。
エアコン
エアコンの電気代節約のポイントは、設定温度です。設定温度と外気温の差が大きければ大きいほど、エネルギーが必要となるため電気代が高くなります。
例えば、外気温度31℃のとき、冷房の設定温度を1℃上げると約940円/年、外気温度6℃のとき、暖房の設定温度を1℃下げると約1,650円/年の節約になると言われています。(参照元:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)
普段の設定温度から1℃上げたり下げたりするだけで、1,000円前後の節約効果が得られるので、ぜひ試してみてください。
ただ、1℃の差とはいえ室内で快適に過ごせないようでは意味がありません。そこで、サーキュレーターや扇風機の活用をおすすめします。冷たい空気は下に、温かい空気は上に溜まります。サーキュレーターや扇風機の風で部屋全体の空気を循環させることで部屋の温度が均一になり、より快適な環境にできるでしょう。
また、一人暮らしだと、誰もいないのにエアコンをつけたまま出かけることに躊躇してしまうでしょう。しかし、つけたままのほうが電気代の節約になることもあります。エアコンは、つけたときに最も電力を消費するからです。30分程度で戻るのであれば、エアコンは消さずに外出した方が電気代の節約になります。
この他にも、冷暖房の使用を1日1時間短縮する、フィルターの掃除をこまめにするなどの節約術があるので、実践してみましょう。
冷房を1日1時間短縮した場合 (設定温度28℃) |
年間約580円節約 |
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暖房を1日1時間短縮した場合 (設定温度20℃) |
年間約1,260円節約 |
フィルターを掃除したエアコンの場合 (フィルターが目詰まりしているエアコンと比較) |
年間約990円節約 |
冷蔵庫
冷蔵庫は、庫内の温度をできるだけ下げないように工夫することで電気代の節約につながります。庫内の温度が上がると、温度を下げるために多くの電力を消費するからです。
また、冷蔵庫内は食材をつめすぎない、冷凍庫内はつめこむと効率よく保冷できるためおすすめです。一人暮らしの方は、休日に食材をまとめ買いする方も多いでしょう。使わないものや使いきれなかったものを保存袋や保存容器に入れて、冷蔵庫ではなく冷凍庫に入れておくと、保冷効果が上がり、食材も長持ちします。
冷蔵庫の設定温度も見直しもしてみてください。冬は外気温が低いので、冷蔵庫の設定温度を「中」にしても十分に庫内を冷やせます。
冷蔵庫の電気代節約に関する詳しい記事がありますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
節約術を実践した場合の節約額は以下の通りです。
冷蔵庫に入れる量を半分にした場合 (詰めこんだときと比較) |
年間約1,360円節約 |
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旧JIS開閉試験の開閉を行った場合 (その2倍開閉したときと比較) |
年間約320円節約 |
冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にした場合 | 年間約1,910円節約 |
照明器具
蛍光灯や白熱灯を使用している場合は、買い替えのタイミングでLEDライトへの変更を検討しましょう。LEDライトは蛍光灯や白熱灯よりも消費電力が少ないので、電気代の節約になります。
LEDライトの本体価格は、蛍光灯や白熱灯に比べると高めです。しかし、白熱電球と電球型LEDランプでは、1,500時間程度の利用でコストが逆転するというデータもあります。(参照元:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)LEDライトは寿命が長く、電気代が下がるのでトータルコストを考えれば、お得であることは間違いありません。
炊飯器や電気ポット
炊飯器や電気ポットの保温機能は便利ですが、長時間使うと消費電力が大きくなるので注意しなければなりません。
一人暮らしの場合、一度にたくさんご飯を炊いて冷凍しておく方もいらっしゃるでしょう。保温のためにも電力は消費するので、長時間放置せずにラップに包んだり、容器に入れたりして早めに電源を切ることをおすすめします。
炊飯器で保温する場合、4時間までが目安です。4時間以上保温機能を使用すると、電子レンジで温め直すよりも電気代がかかります。(参考:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)
電気ポットは、沸かしたままの温度で保温しておくと使いたいときにすぐに使えますが、その分電力を消費します。低い温度で保温して、使うときにもう一度煮沸しましょう。断熱を強化した省エネタイプの電気ポットもありますので、買い替えの際にはぜひ検討してみてください。
東京電力エナジーパートナーが監修する「4STEPでわかる省エネの基本」ページでは、その他の電化製品の省エネ対策も掲載しています。ぜひ合わせてお読みください。
ガス代の節約術
家庭内でガスを使う場所といえば、お風呂やキッチンですね。冬であれば、ガスファンヒーターやガス温水床暖房が活躍する家庭もあるでしょう。
ここからは、一人暮らしの方にも大きくかかわるお風呂やキッチンでのガスの節約術をお伝えします。
お風呂
お風呂はまず、浴槽に貯めるお湯の量を見直しましょう。浴槽の8割程度に設定していることが多いですが、5割程度でも十分に浸かれます。給湯器で沸かすお湯の量が減ればガス代だけでなく、水道代の節約にもつながります。
また、追い焚き機能の使用も控えましょう。追い焚き機能は便利ですが、ガス代がかかります。人数が多い家庭だと、追い焚きも必要になるかもしれません。しかし一人暮らしなら、自分のタイミングでお湯を貯められますね。お湯が貯まってすぐに入浴すれば、追い焚きが必要なくなります。
つづいて、設定温度にも注目しましょう。夏でも冬でも同じ温度にしていませんか?夏は外気温が高いため、冬よりも1〜2℃下げましょう。
一人暮らしの方だと、シャワーだけで済ませる方も多いですが、実は浴槽にお湯を貯めるよりも多くガス代や水道代がかかっていることがあります。
シャワーは1分間使うと、約12ℓのお湯が流れます。17分間以上出しっぱなしにした場合、だいたい浴槽1杯分と同じくらいの量です。(参照元:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)使っていないときはこまめに止めるようにしましょう。
キッチン
ガスコンロを使って調理をするときは、火加減の調節がポイントです。鍋やフライパンの底からはみ出している炎は、鍋やフライパンに熱を伝えるという役割を十分に果たせていません。そのため、無駄なエネルギーとなってしまいます。鍋やフライパンの底からはみ出さない程度の中火を意識すると、ガス代の節約につながります。
また、調理の際には電子レンジや圧力鍋の活用もおすすめです。例えば野菜の下ごしらえをする場合、お湯を沸かして茹でるガス代と電子レンジで加熱する電気代を比較すると、電気代の方が安く時短にもなります。煮込み料理の際には、圧力鍋を使うと、ガスを使う時間を短くできます。
一人暮らしの料理は、少量ずつの調理になることが多いですね。違う料理に使う食材でも味付け前に同時に茹でたり、焼いたりすればガス代の節約になります。また、1品ずつ調理するより効率もいいのでおすすめです。
まとめ
光熱費の節約術についてお伝えしました。どれもすぐに実践できるものばかりです。節約できる額は1つ1つ小さいですが、積み重なることで年間数千円の節約になります。
電気代節約のポイントは、エアコン、冷蔵庫、照明器具などの消費電力が大きい家電製品の使い方の見直しです。ガス代節約は、入浴時の給湯、調理時のガスコンロの使い方がポイントになります。
節約は継続することが最も大切です。まずは自分の生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で行ってみましょう。
また、家計全体の見直しには「家計見直し診断」が便利です。選択式の質問に回答するだけで、家計の見直し可能性がわかります。ぜひ活用しましょう。