30代になると、何かと支出が増えることが多くなります。将来のことを考えて、お金を貯めなければと考える方もいるのではないでしょうか。中には「家計簿をつけるのは面倒」「一人暮らしだから家計管理の必要がない」と感じている方も多いでしょう。
しかし、一人暮らしこそ家計の管理は大切です。自分ですべてを管理する必要があるため、最低限のお金の流れは知っておきたいところです。今回は、FPゆうきさんと相談者の会話から、30代独身の方の家計管理方法を紹介します。
相談者は大島さん。情報は以下のとおりです。
- 30代女性
- 独身
- 一人暮らし
- 年収250万円
- これまでの貯蓄額は150万円。年間で18万円程度貯金をしているが、ここ1年ほどは貯金をする月としない月がある。
FPゆうきさんと相談者の会話をもとに、ぜひ30代から家計管理を始めてみませんか?
独身で家計簿をつける必要性は?
ゆうきさんが話を聞くと、大島さんは家計簿をつける必要性をあまり感じていないようです。

大島
家計簿の必要性をあまり感じないんです。お金はすべて自分で管理しているし、使うも貯めるも自分次第かなって。

FPゆうき
では質問です。大島さんは先月いくら収入が入ってきていくら消費しましたか?

大島
収入は20万円ですけど、支出は……16万円くらいなのかな……?

FPゆうき
お金は以前より増えたなと感じていますか?

大島
いや、正直あまり変わらない気がしています。

FPゆうき
であれば、家計簿をつけるのをおすすめします。家計簿をつける目的はお金の流れを理解することです。お金の流れがわかって、初めて貯金がうまく行くんですよ。

大島
そうなんですね…やった方がいいのか〜。

FPゆうき
30代になると、20代のときに比べて病院の受診料・健診料・冠婚葬祭の費用など突発的な支払いも増えてきます。緊急時にお金がないといった事態を防ぐためにも、家計簿をつけてお金の流れを押さえておきましょう。

大島
わかりました。
独身で家計簿を上手につける方法

大島
今まで何回も家計簿をつけようと挑戦してきたのですが、結局面倒になってしまって……

FPゆうき
そうでしたか。現代ではいろいろなサービスがありますから、それを上手に使えば、家計簿をつけるのが苦手な方でも簡単にできますよ。2つの方法を紹介するのでぜひ好きな方を試してみてください。
表計算ソフトを使う

FPゆうき
表計算ソフトで管理するのは、近年の家計簿のスタンダードとなっていますね。

大島
これは、一から表を作らなければいけないんですよね?

FPゆうき
いいえ、最近では家計簿用のテンプレートを使えるため、自分で枠組みしなくても数字を入れるだけですぐ家計管理できますよ。ソフト所定のものを使ってもよいですし、インターネットで配布されているものを使ってもよいでしょう。

大島
そうなんですね。ただ職場以外でもパソコンを使って数字を打ち込むのには少し抵抗があります……。

FPゆうき
では、次に紹介する方法を使ってみましょう。難しいと思い込んでいた家計管理が簡単にできますよ。
家計簿アプリを使う

FPゆうき
家計簿アプリを使えば、とても簡単に家計管理ができます。スマホで数字を入れていくだけで月の支出・収入が全てわかります。

大島
これなら簡単そうですね。

FPゆうき
優秀なアプリも多く、使い勝手もよいと評判です。銀行やクレジットカードの支払いを一気に確認できたり、何にいくら使ったかがわかるようになります。スマホで管理できる手軽さが、何より嬉しい点ですね。

大島
アプリはいろいろな種類があるんですね。帰って気に入ったものをダウンロードしてみようと思います。

FPゆうき
アプリで家計管理すれば、すぐに流れがわかって入力も苦になりません。ぜひ使ってみて欲しいです。家計簿アプリについては、こちらもご覧になってください。
独身の家計見直しで重要な2つのポイント

FPゆうき
大島さんは家計の中でどこを見直したらよいと思っていますか?

大島
実は、あまりよくわかっていないんです。趣味に費やすお金を我慢するのはストレスだし、かといって減らせるお金がどれなのかもいまいちよくわかっていません。

FPゆうき
それでは、おおまかでよいので1ヶ月の支出を表にしてまとめてみましょう。
・月の支出
- 家賃:5万円
- 水道光熱費:1万円
- 食費:5万円
- 日用品費:1万円
- 通信費:2万円
- 交際費:1万円
- 娯楽費:1万円

大島
こうしてみると1ヶ月の支出だけでも気になる箇所が結構ありますね。

FPゆうき
おそらくその箇所が支出を減らしたいと思う箇所です。今回は2つの費用を見直すことにしましょう。
1.食費を見直す

大島
改めて見ると、食費の高さが気になりました。仕事が終わったら疲れちゃって、ついついお弁当やお菓子・夜食を買って食べちゃうんです……。

FPゆうき
確かに一人暮らしにしては食費はやや高いと思います。単身世帯の食費の平均は39,069円ですからね。大島さんは自炊はあまりされないですか?

大島
はい。職場への昼食や休日のご飯はほぼ毎日コンビニで済ませています。それ以外にもお菓子を買ったり、夜食用のカップ麺やジュースを買ったり……。

FPゆうき
お菓子やジュースを我慢するのはストレスになるかもしれませんが、ご飯代は自炊である程度抑えられますよ。作り置きなどをすれば1週間はお弁当のおかずに困りませんし、支出も減らせます。自炊中心の生活にすれば、1万円〜1万5千円程度は削減できるでしょう。

大島
ちょっと大変そうだけど、やってみようかな。毎日の昼食代を落とせれば、大きく食費を減らせそうですもんね。

FPゆうき
ぜひ挑戦してみてください。節約効果を実感できると思います。食費の見直しについてはこちらもチェックしてください。
2.通信費を見直す

FPゆうき
もう一つは通信費を見直すとよいですね。

大島
スマホ代ってことですか?

FPゆうき
そうです。通信費に月2万円はやや高めなので、見直したほうがよさそうです。契約するプラン次第では月5,000円以下くらいまで落とせますよ。

大島
えっ!それは早く試してみたいです。

FPゆうき
格安SIMといわれる安価な通信プランは多くの人が利用しています。ドコモ・au・ソフトバンクの大手3社に比べて料金が安く、負担を大きく減らせるのが特徴です。おすすめの格安SIMについてはこちらもご覧になってください。

大島
ちなみに、Wi-Fi料金はどうしたらよいでしょう。

FPゆうき
いい質問ですね。Wi-Fi料金についても一緒に見直してみましょう。近年では、通信プランとWi-Fi回線を同じ会社にすると、料金を割引してくれる会社も増えています。大手でないことに不安を覚える方もいますが、品質はさほど変わりません。

大島
家に帰って、早速契約している会社とほかの会社を比較してみようと思います。
まとめ

大島
まずは家計簿アプリをダウンロードして、それから食費・通信費を見直してみたいです。それから、今後に備えられる資金づくりをめざしてみます。ありがとうございました。
大島さんは、家計簿アプリを使ってお金の流れを可視化し、次のように月額の家計負担を減らしました。
月の支出
- 家賃:5万円
- 水道光熱費:2万円
- 食費:4万円(-1万円)
- 日用品費:2万円
- 通信費:1万円(-1万円)
- 交際費:1万円
- 娯楽費:1万円
- 貯金:2万円
単身世帯でも家計管理は重要です。お金の流れが見えることで、よりお金を貯めやすくなります。大島さんと同じような境遇の方も、ぜひ家計管理を始めてみましょう。これから家計の見直しを始めてお金を増やしたい方は、すぐに見直すべき項目がわかる家計見直し診断を利用してみましょう。見直すべき項目がわかったら、すぐに実践に移してくださいね。