日本各地の名産品が受け取れるのが特徴の「ふるさと納税」。高級なお肉や果物、お米などさまざまなお礼の品があり、とても魅力的です。高級食材などを取り扱うふるさと納税だからこそ「返礼品」をきっかけに始める方も少なくありません。
しかしいざ始めようとすると、こんな疑問にぶつかることも。
- 「仕組みがよくわからない」
- 「控除できる額はいくら?」
- 「本当に節約できるの?」
ふるさと納税における「手続き」が難しそうなイメージから、結局面倒になって辞めてしまう方も多いでしょう。
ふるさと納税とは「とても簡単に使えておトクな制度」です。今回はふるさと納税の仕組み解説と、節約金額の検証を行います。この記事を読むだけでふるさと納税がどれだけおトクなものかがわかります。ぜひこの記事をきっかけにふるさと納税を始めてみましょう。
このページの目次
ふるさと納税とは何か?
ふるさと納税の仕組みを理解するために、まず制度について把握しましょう。その上で、次の2つのポイントを押さえる必要があります。
- ふるさと納税は、税金の控除ができる
- ふるさと納税をしたら、確定申告などの申請が必要な場合がある
一見すると難しそうですが、意外と簡単にできます。それでは、ふるさと納税の制度から順に解説していきましょう。
どういった制度?
ふるさと納税とは「税金の前払い」のようなものです。
税金は本来住んでいる自治体に納めます。これを任意の自治体に寄付することで、翌年の所得税・住民税が控除されるのです。寄付した自治体からは、お礼として特産品をもらえます。これが「返礼品」です。
ふるさと納税は、実質的な負担金2,000円で返礼品を受け取れます。寄付金額から2,000円を引いた額が控除される仕組みです。
例えば10,000円の寄付をした場合、8,000円が控除額、2,000円が返礼品代となります。2,000円を負担するだけでさまざまな返礼品がもらえる特徴から「ふるさと納税はおトクだ」と言われているのです。
税金の控除ができる?
ふるさと納税を利用して控除できる額には限度があります。限度額は年収や家族構成により変化し、次のような目安となっています。限度以上の寄付をすると、超えた分は控除されないので注意してください。
年収/世帯単身家族(※)
300万円 | 28,000円 | 0〜28,000円 |
---|---|---|
500万円 | 61,000円 | 28,000円〜61,000円 |
700万円 | 108,000円 | 66,000円〜108,000円 |
1000万円 | 180,000円 | 144,000円〜180,000円 |
※家族は子どもが大学生、高校生、中学生以下で限度額が変わります。
金額はあくまで目安です。ふるさと納税を扱うサイトでは控除額のシミュレーションができます。
https://www.furusato-tax.jp/about/simulation
簡単に計算できるので、自分の控除限度額を確かめてみてください。より詳しく知りたい場合は市区町村に問い合わせるとよいでしょう。
確定申告が必要な場合がある?
ふるさと納税を利用したら、確定申告をする必要がある場合と、必要のない場合があります。
会社員や公務員のように給与を受け取っている方は、ワンストップ特例制度を使えば確定申告をせずにふるさと納税を行えます。ワンストップ特例制度を使う場合は、以下の点に注意が必要です。
- 6自治体以上に寄付をした場合は対象外(確定申告が必要)
- ふるさと納税以外の控除で確定申告をした場合は対象外
- 所得税の控除はなく、全額住民税からの控除となる
ワンストップ特例制度を使いたい場合は、5自治体以内の寄付にとどめておきましょう。また、医療費や住宅ローンの控除で確定申告をする場合は、ワンストップ特例制度の対象外なので、ふるさと納税の控除も一緒に行いましょう。
個人事業主など会社員以外の方は、確定申告が必要です。寄付した自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を使って申告します。2022年からはふるさと納税サイトでも証明書を発行できるようになりました。そちらも活用しましょう。
【活用事例】ふるさと納税を活用したらいくら節約できる?
ふるさと納税を活用するとどれくらいの金額を節約できるのでしょうか。
千葉県に住む3人家族の内田家をモデルとして、ふるさと納税を活用した場合の節約額を検証してみます。内田家の情報は次のとおりです。
- たつやさん(夫):年収500万円(会社員)
- ゆきさん(妻):年収150万円(パート)
- さやさん(子):小学4年生
3つの返礼品パターンで節約額を試算していきましょう。
食べ物を購入した場合
食べ物を購入した場合、いくらの節約になるでしょうか。
ゆきさんは、牛肉が大好きなさやさんのために、年に数回スーパーで高級牛肉を購入していました。特に、さやさんの誕生日には奮発してブランド牛を購入しており、去年の誕生日に買った牛肉は何と9,980円。1回あたりの食費としてはなかなかの負担です。
そこでたつやさんは、ふるさと納税のサイトでこちらの返礼品を申し込みました。
今回のふるさと納税の利用で、果たしていくら節約できたでしょうか?
これまでかかっていた費用 | ふるさと納税での負担 | 節約できた額 |
---|---|---|
9,980円 | 2,000円 | 7,980円 |
ふるさと納税の利用だけで7,980円も節約できています。これだけ食費が減れば家計も助かりますね。このようにふるさと納税を上手に利用すれば、食費の負担も大きく減らせるのです。
日用品を購入した場合
次は日用品を購入した場合を試算します。
内田家では、半年に1回の頻度で64ロール入りのトイレットペーパーを購入しています。値段は5,280円。生活必需品とはいえ、もう少し負担を減らしたいと感じたゆきさんは、たつやさんに相談します。
たつやさんは、いつも使っているトイレットペーパーがふるさと納税で手に入るのを知り、こちらの返礼品に申し込みました。
果たして、いくら節約できたのでしょうか?
これまでかかっていた費用 | ふるさと納税での負担 | 節約できた額 |
---|---|---|
5,280円 | 2,000円 | 3,280円 |
3,000円以上の節約ができました。日用品もふるさと納税でおトクに買えるのはうれしいですね。
家具を購入した場合
最後に、家具を購入した場合を見てみましょう。
たつやさんは、ゆきさんの布団が傷んでいるのをみて、質のよい寝具を買おうと提案しました。ネット通販で探すと値段は安くても19,800円。想像以上の値段にたつやさんは驚いてしまいます。
そこで、たつやさんはふるさと納税の返礼品から寝具を探すことにしました。すると、良い商品が見つかったためこちらに申し込みをしました。
長く使える布団に、ゆきさんも大喜びです。果たしていくら安く手に入れられたのでしょうか?
ネット通販での値段 | ふるさと納税での負担 | 節約できた額 |
---|---|---|
19,800円 | 2,000円 | 17,800円 |
なんと10,000円以上も安く購入できました。家具や家電は、2,000円の負担でずっと使えるものが手に入ります。家具・家電の使用年数を考えると、大きな節約になりますね。
ふるさと納税と活用事例を学んでおトクな生活を
ふるさと納税を使えば、実質2,000円でそれ以上の恩恵を受けられます。食べ物や日用品等の返礼品を申し込めば家計の手助けになります。返礼品の中には2,000円以上の価値のものが多くあるため、とてもお得です。
このほか、宿泊券やファッション雑貨などさまざまなジャンルがあります。返礼品をチェックしていたら、節約に貢献してくれるものが見つかるかもしれません。
ネットショッピング感覚で気軽に申し込めるのもうれしい魅力といえるでしょう。必要な書類も自治体やふるさと納税サイトで用意してくれるので安心です。
生活費の節約や見直しを検討する方は、ふるさと納税を上手に活用してみましょう。始め方が気になる方は、ぜひこちらも覗いてみてくださいね。