イチからはじめる家計改善!マネのば編集部のFP相談体験会レポート【前編】

多くのご家庭でお金に関する悩みの種になっているのが家計管理。家計簿をつけようと思っても重い腰が上がらなかったり、ようやくつけはじめても日々の忙しさを理由に続かない、そんな方は多いのではないでしょうか。

 

マネのば編集部Yも、日々の家計管理に悩んでいるうちの一人。いよいよ子どもの教育費について真剣に考え始める必要が出てきたため、プロの力を借りて一歩を踏み出したい!という思いでFP相談を体験してきました。

 

そこで、編集部Yが実際に体験相談会に参加した際のレポートを【前編】【後編】に分けてお届けします。FP相談では、実際の家計の見える化からはじめ、家計の課題をFPと一緒に抽出し、今日から始められる具体的な家計改善のアドバイスまで受けてきました。

 

「今のままの家計、貯蓄状況でいいのか」「改善するにも具体的に何からどう始めたらよいの?」というモヤモヤを少しでも解消できる”疑似体験記事”になっていますので、ぜひご一読ください。

 

いざFP相談会へ!

今回はどうしてご自身の実際の家計相談をしてみたいと思われたのですか?
編集部
マネのばを運営していく中で家計改善のコンテンツにたくさん携わってきたのですが、私自身が家計をしっかり管理できておらず、貯金がなかなか増えていかないことにずっとモヤモヤしていまして……。友人からおすすめされたレシートを撮るだけの家計簿アプリなども試したのですが続かないのです。
なるほど。ちなみに家計管理や貯蓄は、なぜ「しなければ」と感じていらっしゃるのですか?
編集部
子どもが一人いるのですが、中学から私立に通わせたくて……。でも学費の準備が全然思うように進まないことに焦りを感じているんです。何かアクションを起こさなければいけない、このままではお金は貯まらない、と頭では分かっていても、自分ではプランニングできなかったり、家計簿での管理が三日坊主だったりしまして。貯蓄の習慣化や無理なく家計管理をする方法など、何か解決策を教えていただけないかと、ご相談に来ました。
中学校から私立ですか。それはたしかに事前準備なしでは難しそうですね……。分かりました。そんなYさんにおすすめの方法がありますので、一緒に家計改善と教育費の貯蓄準備の完了を目指しましょう!
編集部
はい!ぜひよろしくお願いいたします!

 

 

家計改善のための現状分析

Yさん、お子さまは今おいくつなんでしたっけ?
編集部
5歳です!
中学受験となると小学校4年生(10歳になる年度)くらいから塾通いが本格化しますので、あと5年ですね。
編集部
そう考えるとすぐそこに迫っている気もします。ただ、なかなか自分事にならなくて、貯蓄できていなくて、あったらあっただけ毎月使ってしまっているんです……。しかも家計簿をつけて改善点を洗い出せていればよいのですが、どうしても習慣化できなくて……。現状分析すらできていない状態なんです。
そういった方は実は本当にたくさんいらっしゃるのです!家計簿って始めるにもエネルギーがいりますし、継続させるハードルも高いですよね。そういうお悩みの方に、私は「2週間家計簿」をいつも推奨しています!
編集部
2週間家計簿ですか??初めて聞きました。

 

2週間家計簿とは?

2週間後に改めて面談をしますので、明日から2週間だけ、支出をすべて記録していただきます。極端ですが、10円の駄菓子などの細かい出費もすべてです!
編集部
10円から細かくですか…大変そう。でも2週間だけでよいのですか?
そうなんです!2週間だけ記録していただければ、その後は不要です!
編集部
これからずーっと家計簿をつけ続けないといけないわけでなく、短期間だけであれば、なんだか頑張れそうな気がします!ただ、どうして2週間経ったら家計簿をつけなくてよくなるのですか?
何故なのか不思議ですよね。ここから2週間後に家計簿が止められる理由を、この後解説していきますね!ちなみに大事な注意点がひとつあります。
編集部
どんな注意点ですか?
この2週間、今までしてきた支出を何も我慢しないでください。FPに後からチェックされるからといって、支出を我慢してはいけません。日用品や食費など、あくまで「これまで通り」に支出してください。
編集部
分かりました。でも、なぜ普段通りの支出を心がけないといけないのですか?
支出を我慢してしまっては、今までの実態が正確に測れないからです。この段階では「家計改善」が目的なのではなく「現状をしっかり把握すること」が目的ですから、普段と違うお金の使い方をしてはいけません。
編集部
なるほど!現状分析が正確にできないと家計改善もできませんよね。頑張って記録します!
頑張っていきましょう。では本題に戻って、2週間後に家計簿を止められる理由を解説しますね。
編集部
よろしくお願いいたします!

 

 

2週間で家計簿を止められる理由

2週間経ったときに細かくつけてきた支出額、その金額を2倍にしたら、ざっくりですが1か月分(約4週間分)くらいの支出になるはずですよね?
編集部
たしかにだいたいそうなりそうですね。でもその2週間の中で固定費を支払ったら、どうしたらいいのですか?
よいご質問です!月に一度しか支出しない固定費をこの2週間で支払ったら、それは2倍にしてはいけない金額として、印をつけてください。この作業をしていただければ、標準的な毎月の支出傾向が見えてきます。逆に2週間の間に毎月の固定費を払わなかった場合は、別途固定費の金額を教えてくださいね。
編集部
固定費なのか変動費なのかをしっかり意識して記録するようにします!
はい!お願いします。そして毎月の世帯での手取り額から、これら支出をすべて引けば、毎月の貯蓄可能額が算出できますよね?
編集部
たしかに!こうやって毎月の貯蓄可能額を算出できれば、家計簿を止められるんですか?
前のめりですね(笑)。家計簿を止めるには、もう少しステップがあるので、お付き合いください。
次は先ほどのお子様の教育費を細分化していくステップです。「教育費を貯めなきゃ」というざっくりした思いから、具体的に、○○のためにいくら貯めなくてはならない、という細かい部分まで分けます。例えば中学校受験とその準備のために、10歳を迎える5年後までに200万円、私立中学校の学費と課外活動費のために、13歳を迎える8年後までに420万円、といった形です。
編集部
細分化ですか。たしかにそうすれば目標積立額がクリアになりますね。
中学受験費用240万円を残りの月数で割ると、毎月の貯蓄目標額が算出されますね。240万円÷60か月(5年)=40,000円/月となります。8年後に必要な私立中学校費用、その先の高校、大学費用など細分化した必要貯蓄月額をすべて足したときに、毎月の貯蓄可能額と照らし合わせて、今のままで足りるのかどうかを分析します。

 

教育費必要資金 何年後? 月次貯蓄金額
中学受験 ¥2,400,000 5年後(残60か月) ¥40,000
私立中学 ¥4,200,000 8年後(残96か月) ¥43,750
中学塾代 ¥540,000 8年後(残96か月) ¥5,625
私立高校 ¥2,900,000 11年後(残132か月) ¥21,970
予備校 ¥2,400,000 11年後(残132か月) ¥18,182
大学費用 ¥8,000,000 14年後(残168か月) ¥47,619
学費計
¥20,440,000 ¥177,146

(表1:学費をいつまでにいくら貯めなくてはならないのかを細分化したもの)
※各教育費はライフプランシミュレーターmilize Proで扱う統計値を基に概算したもの。

 

編集部
うーん、どう考えても必要な金額に対して足りなさそうな気がします…
承知いたしました。足りないようであれば、毎月いくら改善しなくてはならないかを2週間後に一緒に計算します。
また、2週間分を倍にした支出金額を、「食費、外食費」や「雑貨、日用品」「交通費」「通信費」などの項目ごとに、次回お会いした際に一緒に振り分けることで、具体的に支出を見える化していきます。
編集部
そうすれば、どの項目からいくら削って目標の貯蓄額に到達させようか、が見えてきそうですね!
そうなんです。ここまで来たら具体的に削る項目を考えて実行するのみです。実行に移せば家計簿はもう不要です!最後に先取り貯蓄設定の仕方をご案内しましょう。

 

仕上げ作業としての「先取り貯蓄」の設定

貯蓄すべき金額、削るべき金額を把握し全体がクリアになったら、先取り貯蓄の設定をします。
編集部
先取り貯蓄ですか?
はい。手取りのお給料が入ってきたら、目的ごとの貯蓄をすべて貯蓄口座や貯蓄型金融商品に割り振ってしまうのです。
編集部
生活費を支出しきって余ったら貯蓄、ではなくて、先に貯蓄するのですね?
そうです。そうすることで、残った金額はすべて使ってよいことになります。後は、2週間家計簿での改善項目を意識しながら生活をするだけなので、もう家計簿をつけなくても目標達成しますよね。
編集部
なるほど、貯蓄すべき金額と削減すべき金額がクリアになれば、あとは家計簿をつけなくてもよくなるのですね!
はい!この2週間だけはキッチリ家計簿をつけていただくので時間もかかりちょっと大変ですが、短期集中型で頑張っていきましょう!捨てたり溜めこんだりする前に、レシートをもらったらその日のうちに計算するのがポイントです。

 

先取り貯蓄を始める際の注意点

編集部
2週間後に出る結果が怖いような楽しみなような…でもこれで本当に家計簿をつけることを止めてしまってよいのですか?また支出が知らぬ間に膨らんでしまいそうで…
削るべき項目が明確に分かれば、頭の中で「○○は買わない。○○円まで」という節約の意識さえ忘れなければOKです。あとは、細分化した将来の必要額をすべて自動貯蓄設定してしまいますので。そうすれば、残りはすべて使って大丈夫ですよ。今回はあまり触れませんでしたが、同時に老後資金も積み立て設定するのをお忘れなく。
編集部
たしかに!教育費が完璧に準備できても、老後に子どもに助けてもらわなくてはならなくなったら本末転倒ですよね…!ありがとうございます。ではまた、2週間後によろしくお願いいたします!
こちらこそ、よろしくお願いいたします!

 

まとめ:脱家計簿のポイントは現状分析とゴール設定

家計簿をつけたくても習慣化できない方には、2週間家計簿がおすすめ。2週間だけ集中して頑張れば、あとは家計簿をつける必要がなくなる、という家計簿が続かない方にピッタリな方法です。手取り収入から、2週間分の家計簿を倍額したものを引いて、その貯蓄可能額が、今後控える大きなライフイベント(教育や住宅購入、老後生活など)を満たすだけ存在すれば、現状のままで良し。足りなければいくら足りないのかを計算し、把握したうえで、項目ごとに改善して、自動貯蓄設定。さて、マネのば編集部Yは2週間後に、どのような家計簿を提出するのでしょうか。

 

後編はこちらです。

家計見直し診断
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