「余計な支出は抑えているつもりだけど、お金が貯まらない」「銀行口座をチェックするといつもお金が減っている」といった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。上手にお金を貯めるには「銀行口座の使い分け」が重要になります。
中には、「複数の口座を持つのは管理が大変」「1つの口座で管理した方が簡単そう」と思う方もいるでしょう。しかし、銀行口座を分けてお金を管理すれば、お金の流れがわかるようになり、お金も貯まりやすくなります。
今回は、お金が貯まる銀行口座の分け方を紹介します。最後まで読んで、ぜひ今後の貯金に役立ててください。
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【3つがおすすめ】お金が貯まる銀行口座の分け方
銀行口座を複数使う理由は、以下のとおりです。
- 1つの口座で支出と貯金を管理すると、使えるお金・貯めるべきお金の区別がつかなくなり、お金が貯まらない
- お金の出入りがわかるため、家計管理がしやすくなる
1つの口座でお金を管理すると、日々お金の出入りがあるため貯金をしていても貯まっていく実感が湧きません。また、口座にお金が存在するため「まだ使っても大丈夫」と気を緩めてしまい、必要以上に使い過ぎてしまう可能性もあります。お金を管理する口座を分ければ、お金の流れを把握でき、使いすぎることもなくなります。
中でも管理しやすいのは、3つの銀行口座を使い分ける方法です。分け方は次のとおりです。
- 1.給与口座
- 2.貯蓄用口座
- 3.緊急用口座
それぞれの口座について紹介します。
1.給与口座
1つ目は給与口座です。
給与口座は、給料や報酬などの受け取りと生活費の支出を行う「お金を使う口座」として利用します。メインバンクとなるため最もお金の出入りが激しく、頻繁に利用する機会があるでしょう。
給与口座に給料や報酬が振り込まれた際は、先に貯蓄分を別口座に移しておくと貯金がしやすくなります。残った金額で支出のやりくりをすれば、毎月どの分野にどれくらいのお金を支払っているかがわかるようになります。
2.貯蓄用口座
2つ目は貯蓄用口座です。
貯蓄用口座は、給与口座に入ってきた給与や報酬のうち、貯蓄分の金額を預けておく「お金を貯める口座」として利用します。お金を貯めるための口座なので、メインバンクと比べると利用機会は少ないです。期間を設けてお金を預ける「定期預金」を使うと貯金が捗ります。
家・車・老後資金など将来的に使うお金を貯めておく口座のため、口座内のお金は使わないのが鉄則です。一度お金を引き出したり口座の金額を動かしたりすると、次々と使い込む可能性があり、お金が貯まらなくなるため注意しましょう。
3.緊急用口座
3つ目は緊急用口座です。
緊急用口座は、冠婚葬祭や故障による家電の買い替えなど、突発的な出費が発生した場合の「お金を準備しておく口座」として利用します。この口座が用意できれば、貯蓄用口座からお金を引き出さずに済みます。原則、緊急時以外は手をつけないようにします。また、万が一出費があった場合は給与口座から必ず補填するようにしておきましょう。
まとまった費用が発生する場合も考えられるため、ボーナスのうちいくらかを緊急用に回す、毎月コツコツ貯めるなど日頃からある程度の金額を備えておくのが重要です。
銀行口座はどう選ぶ?
お金を貯めるための3つの口座を、これから選ぶ方もいるでしょう。あるいは、家計見直しの機会に利用する銀行口座の変更を考えている方もいるかもしれません。銀行には主に次の3種類があります。
- 都市銀行:メガバンク。ATMや支店数が多く、入出金が便利。
- 地方銀行:都道府県や特定の地域を拠点とする銀行。対象地域内でしか使えないが、サービスは充実している。
- ネット銀行:Web上の銀行。手数料が安く、金利が高いものが多い。コスト面で有利。
3つの口座をどのように選べばよいか、重視したいポイントを中心に紹介します。
給与口座は利便性を重視
給与口座を選ぶ際のポイントは、利便性です。特に、以下の3つを重視しましょう。
- 店舗やATMまでの距離
- 手数料
- サービスの使いやすさ
給与口座は3つの中で最も利用頻度が高い口座です。店舗やATMが近くにあるとお金を引き出したり別の口座にお金を移動したりしやすくなります。給与口座に指定すると手数料が無料になる回数が増える銀行も存在するため、サービスの使いやすさはチェックしておくとよいでしょう。
都市銀行は各地にATMや支店を構えているため、比較的引き出しやすい銀行です。コンビニATMを頻繁に利用する場合であれば、ネット銀行も使い勝手がよいでしょう。ネット銀行は手数料も安く、コストをかけずに資金管理ができます。
貯蓄用口座は給与口座と同じ銀行orネット銀行で
貯蓄用口座は、給与口座と同じ銀行で「自動積立定期預金」を使いましょう。
自動積立定期預金は、預金にまとまった資金が必要ないため手軽に貯蓄できるのが特徴です。積み立てる金額を決めれば、自分でお金を移し替えずともスムーズに資金移動ができるので、貯金が苦手な方でも簡単に始められます。
また、預金時の金利も注目したいポイントです。ネット銀行であれば通常の銀行より金利が高いため、預けた額以上のお金を貯蓄できます。日本は低金利なので利息はわずかですが、金利を重視したい方はネット銀行を選ぶとよいでしょう。ただし、資金の移し替えは自身で行う必要があるので注意が必要です。
緊急用口座は引き出しやすさを優先
緊急用口座を選ぶ際のポイントは、お金の引き出しやすさです。
突発的な出費の際に使う口座のため、ATMや店舗からお金を引き出しやすい銀行を選びましょう。
コツコツ資金を用意するのであれば、給与口座や貯蓄用口座と同行同支店で開設すると手間がかかりません。ボーナスなどでまとまった額を用意する場合は、都市銀行や地方銀行に入れておくと有事の際に引き出しやすく安心です。
余裕ができたら「増やす口座」にも挑戦を
3つの口座を使って貯蓄ができ上手に家計管理ができるようになったら、「お金を増やす口座」を開設してもよいでしょう。
「つみたてNISA」「iDeCo」は特に使いやすく、初心者でも手軽に投資を始められます。給与口座から積立額を引き落とせば、放っておいても貯蓄を作れます。
投資は、預金金利以上の利益を得られる可能性があるため、効率よく資産を作れるのが特徴です。ただし、投資商品のため元本割れのリスクがある点は念頭に置いておきましょう。
つみたてNISAやiDeCoなどの投資については、こちらの記事もご覧ください。
銀行口座の分け方次第で家計管理は簡単になる
ここまで、銀行口座の使い分け方、3つの口座の選び方を紹介しました。
貯蓄ができると精神的なゆとりも増えるため、余裕ある生活ができます。上手に家計管理ができれば好きなことにもお金を費やせるので、日常の充実も図れます。
お金を貯めるには、お金の流れを「見える化」するのが重要です。3つの口座を使い分ければお金の流れがはっきりとするため、無理なく貯金をしたい方はぜひ試してください。
「口座を作るのには少し時間がかかるから、現在の支出状況だけでも把握しておきたい」と感じた方もいるでしょう。家計見直し診断を行えば、固定費や保険料など6項目の支出の見直しができます。家計の中で見直すべきポイントがすぐにわかるので、ぜひご活用ください。