貯金って、いくらあれば安心してよいの? 年収・年代別「みんなのリアルな貯金額」と「理想の貯金額」

結婚、出産などのライフイベントや老後に向けて「不安なく暮らせるよう、ある程度お金を貯めておきたい」と考える方は多いでしょう。その一方で、具体的にどれくらい貯めればよいかわからない方や、効率的な貯金のために投資の始め方について調べている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では貯金額の目安を知りたい方へ向けて、年代別の平均や中央値、理想とすべき目標額を解説します。目標を達成するために必要な具体的な方法も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

 

年代別!貯金額の平均値と中央値

自分と同世代の人が「どれくらい貯金をしているのか」について把握したい方もいるでしょう。友人に聞くことも可能ですが「お金の話となれば聞き出しにくい」と考える方も多いです。自分と同世代の方がどれくらい貯金をしているのかは、年代別で見た貯金額の平均値や中央値を把握することで、貯金の目安を立てやすくなります。

 

ここでは実際に20代〜50代までの貯金額を洗い出し、平均値と中央値を表にまとめたので確認していきましょう。

 

参考:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]各種分類別データ(令和3年)

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]各種分類別データ(令和3年)

 

参考:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]各種分類別データ(令和3年)

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]各種分類別データ(令和3年)

 

貯金額の傾向としては、単身世帯より2人以上世帯の方が高く、またどちらの世帯も平均額が中央値を上回っています。これは各世代と世帯で「貯金できる世帯とできない世帯の二極化」が進んでいるのが理由です。

 

特に20代は世帯人数にかかわらず、4割以上が貯金額100万円未満との結果が出ています。これは年収が低いことや趣味・レジャーなどへの支出が多いことが理由と考えられます。

 

貯金額はどれくらいが理想?

 

貯金の目標額は期間と目的によって変わります。例えば、子どもが大学進学するための学費を貯めるのが目的であれば、子どもが生まれてから高校卒業までの18年間で公立のみでも550万円、すべて私立なら1,800万円以上が目安です。

 

詳しい金額についてはこちらの表をご確認ください。

 

区分 幼稚園 小学校 中学校 高等学校(全日制)
公立 私立 公立 私立 公立 私立 公立 私立
学校教育費 120,738円 331,378円 63,102円 904,164 138,961 1,071,438 280,487 719,051
学校給食費 19,014 30,880 43,728円 47,638 42,945 3,731
学校外活動費 83,895 165,658 214,451 646,889 306,491 331,264 176,893 250,860
小計(1年間) 223,647 527,916 321,281 1,598,691 488,397 1,406,433 457,380 969,911
各学年分で算出 670,941
(幼稚園×3年)
1,583,748
(幼稚園×3年)
1,927,686
(小学校×6年)
9,592,146
(小学校×6年)
1,465,191
(中学校×3年)
4,219,299
(中学校×3年)
1,372,140
(高校×3年)
2,909,733
(高校×3年)

 

それぞれの合計金額
オール公立 5,435,958
オール私立 18,304,926

この表は「e-Stat 政府統計の総合窓口」内で公開されている平成30年度の「学校種別の学習費」を元に「幼稚園」から「高等学校」を「公立・私立」で分けた学費です。

 

「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」にそれぞれの学年数をかけたものが合計数になります。このデータを見てわかるように、オール公立を選択した場合でも550万円ほどかかることが理解できます。

 

教育費についての詳細は、以下の記事もぜひご覧ください。

 

また、目標達成に向けて毎月の貯金額を算出する必要もあります。仮に子どもの学費1,000万円を18年間で貯めるとすると、毎月の貯金目標は約4.6万円です。このように、毎月の貯金目標を算出しておくと、家計管理もしやすくなります。

 

貯金額に「絶対」はありません。自身や家族のライフイベントに合わせて金額と期間を決め、毎月いくら貯めるか決めましょう。

 

ライフイベントにかかる平均費用

 

ライフイベントは人によってさまざまで、事前に予想して金額の目安を知っておくと貯金しやすいです。多くの方に起きるライフイベントとしては以下があげられます。

 

イベント 金額の目安
就職 約20万円
結婚(婚約~新婚旅行含む) 300~400万円
出産 30~70万円
子どもの学費 500~2,000万円
住宅購入 2,000~5,000万円
介護
(要介護認定平均年齢75歳として算出)
2,400万円~
(75歳~100歳までを計算)
葬式 30~80万円

これらのライフイベントの中から、自分に当てはまるものを確認して、計画的に貯蓄を進めましょう。特に子どもの進学にかかる費用は国立、私立によって変わり、住宅購入も貯金額や年収によって、住宅ローンへの影響が大きいです。

貯金を確実にふやす具体的な方法4つ

 

貯金額を理想に近づける具体的な方法は以下の通りです。

 

  • 貯金の目標や期間を明確にする
  • 毎月の家計簿をつける
  • 固定費を中心に生活費を見直す
  • 無理のない範囲で積立投資を行う

 

上記を意識しながら貯金をすると、目標を達成できる確率を上げられます。詳しく見ていきましょう。

①貯金の目標や期間を明確にする

貯金をするためには節約や投資が必要であり、目標もなく行うにはストレスがかかります。しかし、「子どもの学費」や「住宅購入の資金」など、いつまでに貯めるか決めると少しでもストレスを軽減できるかもしれません。

 

同じ1,000万円でも、目標を決めることで達成感が生まれますし、無駄遣いをしてしまう可能性を減らせます。期間を明確にすると毎月いくら貯めれば目標達成できるのか、その額を達成するために何をすればよいのかがわかるでしょう。

 

貯金をより計画的に進めるためにも、目的と期間を明確にしてください。

 

②毎月の家計簿をつける

家計簿をつけることで、日々の支出を正確に把握できます。1円単位で正確に記録する必要はありませんが、支出の記録をつけると無駄な部分を節約しやすいです。

 

例えば、今まで何気なく買っていたペットボトル飲料をマイボトルに切り替えると節約効果を実感できます。節約を意識しているはずなのに、なかなか貯金のペースが上がらない方は家計簿をつけてみましょう。今までわかっていなかった食費などの無駄な変動費を把握し、節約につなげるきっかけになるはずです。

 

特に、食費や水道光熱費などの変動費は、家計簿を参考に節約すると、効果を得られやすいでしょう。

 

③固定費を中心に生活費を見直す

最も効率的に貯金をふやすことを期待できるのが固定費の見直しです。生活費における固定費の例としては家賃や通信費があげられ、これらを節約すると毎月固定でかかっている費用が削減できるため、効率的な貯金ができます。

 

例えば、利用しているスマホを大手キャリアから格安SIMに切り替えると、毎月の通信費を数千円ほど節約可能です。また、家賃は引越し費用が一時的にかかってしまうものの、引越し先の家賃が安くなった分だけ節約につながります。

 

固定費は毎月支払い続けるので、一度料金を安くすると節約効果がずっと続く点がメリットです。スマホ通信費の節約について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

また、固定費のうち、どの項目が見直しやすいのか現状を知りたい方は、ぜひこちらもお試し下さい。

「家計見直し診断」

④無理のない範囲で積立投資を行う

収入を預金として口座に入れるだけでは、貯金の目標額を達成することが難しい可能性があります。また、少しでも早く目標を達成したい方もいるでしょう。

 

投資信託はあらかじめ決められている商品群(株式・社債などを組み合わせた金融商品)への投資を、運用会社が代わりに行ってくれます。1つの投資信託の中にさまざまな金融商品がパッケージされているため、分散投資が可能です。毎月の貯金額を一部でも投資に回すことで、運用益を得られる可能性があり、貯金の目標達成を早めてくれます。

 

投資に興味のある方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

 

ただし、投資は元本保証がなく、損失を抱える可能性に注意が必要です。また、急な出費に対応するための現金もある程度残しておく必要もあるでしょう。損失を抱えると精神的な負担もあるので、無理のない範囲で行うよう留意してください。

 

まとめ:世代別の貯金額を参考に自分にあった貯金を始めよう

ここまで年代別の貯金額による平均値や中央値をはじめ、貯金額の目標を決めた場合にどうすれば達成できるのか具体的な方法もあわせて解説しました。貯金は自身の収入やライフスタイルやイベントに合わせて進めるのが大切だといえるでしょう。

 

同世代と比較して、自分が貯金できているかを考えることも重要ですが、なにより目標を達成することが一番です。周囲を参考にしつつ、自分や家族が豊かになれる方法を取り入れたうえで貯金を始めれば、より目標を達成しやすくなるでしょう。

 

貯金をどう進めればよいかよくわからない方や、家計管理や貯金の増やし方について学びたい方はあわせてこちらもご覧ください。

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